木村克己税理士事務所 相続税10万円~   不動産評価に自信あり Zoom等面談可


税理士ドットコムの「みんなの税務相談」(木村克己税理士回答3)


(質問します。)夫婦間の資金移動について、贈与にあたるか教えてください。

結婚6年目の専業主婦です。
元々独身の時から持っていた私の口座を貯蓄用とし、生活費の余剰金、夫の賞与、児童手当などの給付金関係を夫の口座から私の口座に移し替えてきました。
そのため、元々の私の貯金と、夫の収入が原資のお金が一緒になっている状態です。

挙式費用や引越し費用などまとまった額の支払いはその貯蓄用口座から振り込んだり、夫の口座へ移したりしています。しかし、この度住宅を購入することとなり(夫単独名義)、私の口座から頭金を出すと贈与にあたる可能性があると知り、今までの管理方法がまずかったと気付き反省しました。

そこで、以下について質問です。

①今の状態で私の口座から頭金を出すと贈与にあたるのでしょうか。またすでに手付金・仲介金半金150万円ほど私の口座から不動産屋に振り込んだのですが、これについて贈与にあたるのでしょうか。

②これまでの貯蓄のための資金移動は、贈与の認識はありませんでしたが、贈与にあたるのでしょうか。

③贈与にあたらない場合、これを機にきちんと名義を分けたいのですが、今まで移動してきた額(生活費余剰金、夫の賞与、給付金関係)を通帳の入金履歴から抽出・合計し、夫の口座に戻せば問題無いのでしょうか。

ご教示のほど、どうかよろしくお願い致します。

(ご回答します。)

なお、ここでいう贈与の認識は、民法上の贈与のことではなく、贈与税(相法28①)の申告対象となりうる財産の取得にあたるかどうかということです。(そして、きわめて厳格に言っていることをお許しください。)

①住宅を購入(夫単独名義)する際に、その夫以外の者が対価なく提供した頭金等は贈与によってもたらされたものです。
②妻名義の通帳に、夫からの入金があった際にも、贈与があったという認識になります。
③扶養義務者相互間で生活費等に充てるためにした贈与のうち「通常必要と認められるもの」は非課税になります(相法21の3①二)。非課税となるものは、必要な都度直接これらの用に充てるために贈与された財産をいいます(相基通21の3-5)。よって、稼ぎ手が夫のみですと夫の名義の通帳から必要な都度直接必要な額を引き出して生活費に充てる分については贈与であるが非課税扱いです。それ以外は通常の贈与になります。
こうした基準に基づいて、あるべき者の口座に戻して、以後適切に管理すれば将来的にも、問題は生じないでしょう。

ご回答ありがとうございました。
今後は適切な管理を心掛けたいと思います。


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