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期限後申告となったことによる相続時精算課税の特別控除額の翌年以降の繰越【最新令和5年度税制改正・最新法改正に基づく回答】


(質問です。)

 Aは令和3年に相続時精算課税を適用して父から、1,500万円の現金贈与を受けました。また、令和5年に父から1,000万円の現金贈与を受けていたのですが贈与税申告を失念してしまいました。このためこれから令和5年分の期限後申告をするのですが、2,500万円から適用済みの1,500万円を差し引いた特別控除額の残額については、適用することができないと聞きました。

 このような場合に、特別控除の残額は翌年以降に繰り越すことはできますか。

(お答えします。)

相続時精算課税の特別控除は、期限内申告書に控除を受ける金額その他必要な事項の記載がある場合に限り、適用をうけることができるとされています(相法21の12②)。

なお、適用済みの1,500万円を差し引いた特別控除額の残額1,000万円については翌年以降に繰り越すことができます。

(解説します。)

相続時精算課税に係る贈与税の特別控除は、贈与税の課税価額から特別贈与者ごとに、各年において累計で2,500万円までを控除することができるとされています。

なお、相続税法第21条の12第1項1号のかっこ書において「既にこの条の規定の適用を受けて控除した金額がある場合には、その金額の合計額を控除した残額」が対象になることが明確に定められています。このため翌年以降、特定贈与者から財産の贈与を受けた場合の贈与税の計算においては、それ以前において適用を受けなかった金額を含めて計算することとなります。

そのため、期限後申告になったことにより適用を受けなかった特別控除の額は、翌年以降に繰り越すことができます。


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