事業承継サポート(生前対策)
会社の後継者が決まっていても、その後継者に自社株や会社の事業継続に必要な資産(現在社長が所有している本社屋の敷地等)が確実に引き継げるかどうかは、相続が実際に発生してみないことには分りません。
こうした場合の対策として、これまでとられてきた方法は現社長(被相続人)がしっかりとした遺言書を書くことでした。つまり遺贈による事業用資産が特定の相続人に集中することについて、遺言書によって相続人全員を納得させるという方法です。
但し、事業用資産が特定の相続人の所有財産になるという保証もなく、遺産分割協議の終了で初めて事業継続が可能になるという状況に発展していた例もありました。
そこで、現社長が元気なうちに、例えば財産の一部を一部の子に相続時精算課税での贈与をして、その代わりとして「遺留分の放棄を依頼する」のです。こうした贈与と遺留分の放棄の依頼の組合せを会社を相続する子以外の子全員に対して行います。
(遺留分の計算)(民1042、1043①、1046②)
遺留分とは、次の表にあるように一定の相続人のために相続に際して法律上取得することが保証されている財産の一定割合のことです。
相続人 | 遺留分の総額 |
配偶者と直系卑属 配偶者と直系尊属 配偶者と兄弟姉妹の場合の配偶者 直系卑属のみ 配偶者のみ | 被相続人の財産の1/2 |
直系尊属のみ | 被相続人の財産の1/3 |