木村克己税理士事務所 相続税10万円~ 資産評価に自信あり Zoom等面談可
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相続税を減らす目的の生前贈与において、「暦年課税制度」と「相続時精算課税制度」を使い分ける合理的な基準として事前に知っておくべきことは何ですか。【最新令和5年度税制改正・最新法改正に基づく】
2024年7月15日
管理人
子への生前対策
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相続税を少なくする
(答えです。)相続税を減らす目的の生前贈与を使い分ける判断基準といえるものは以下のとおりです。
◆相続税を減らすための生前贈与の基準1(遺産総額が「相続税の基礎控除額※」以下の場合)
(※相続税の基礎控除というのは3,000万円+法定相続人数×600万円のこと)
遺産総額が、相続税の基礎控除以下の場合(生前贈与加算をしても基礎控除以下の場合)は、相続税はそもそも発生しないことから、両制度(暦年課税制度、相続時精算課税制度)のうち、贈与税が最も低くなる選択をします。
例えば、お子さんが今後数年以内に大きな資金需要があるなどの場合は、特別控除2,500万円が活用できる相続時精算課税制度を利用するという選択も良い判断です。(但し、相続時精算課税制度を一度選択するとその後暦年課税制度に戻ることはできません。)
◆相続税を減らすための生前贈与の基準2(「相続時選択課税制度」の下での贈与税の基礎控除額※」を有効に活用して、相続税を減らす。)
※贈与税の基礎控除額は、110万円です。
例えば、多くの受贈者に贈与をして相続税を減らす場合
贈与税の基礎控除額は、「受贈者毎」に年間110万円の枠が設けられています。そこで、「多くの受贈者」に対して、盆暮れなどの機会に、年間110万円以内の贈与をすることで贈与税の負担なしで、贈与ができます。
そして「相続時精算課税制度」を選択します。(翌年の2月1日から3月15日までの間に税務署に「相続時精算課税選択届出書」を提出します。)
相続税への生前贈与加算の対象となる金額から基礎控除の金額を控除する取扱いは、「暦年課税制度」にはなく、まとまった資産を効率的に次世代に移転しやすくするための制度として改正されましたので、この制度を利用して相続税の負担の軽減も図るというわけです。(相続税法第二十一条の十四~十七)
例えば、自分の子供に多く贈与をして相続税を減らす場合
自分の子供に多く贈与をして、それによって相続税を減らしたい場合は以下の方法があります。父母から子供に対してそれぞれ、110万円以内の贈与をするとします。
例えば、父は「相続時精算課税制度」を選択して110万円の贈与、母は「暦年課税制度」を選択して110万円の贈与をします。
この場合だと、父、母それぞれが基礎控除110万円の範囲内での贈与となり、お子さんには毎年220万円の贈与を贈与税の負担なしで贈ることができます。そして、相続時精算課税制度で贈与した父親からの110万円は、生前贈与加算の金額から控除することができるのです。
これらの方法はすべて、お勧めの方法です。
総資産が大きく、もっと大きな金額の贈与しなければ相続税が減らないときは、贈与税と相続税の関係をシミュレーションして決めなければなりません。その場合は、それなりに大きな贈与税の支払いもあるのが普通ですが、それ以上に相続税を減らせる場合に実行されます。
つぎに、生前贈与をするにあたって知っておくべきことです。メリットもデメリットもありますが概要は以下のとおりです。
◆相続税に加算される贈与財産は、原則として、贈与時点の価額で加算されること
(暦年課税制度、相続時精算課税制度、どちらであっても相続税に加算される贈与財産は贈与時点の価額が加算されます。)
このことから、生前贈与の時点よりも、相続の時点のほうが値上がりすることが見込まれる資産を生前贈与することが出来るのであれば、資産価値を圧縮して、将来へ多くの遺産を引き渡すことにはなります。
◆相続時精算課税制度を活用した土地、建物が被災した場合の控除ができる制度が創設されたこと【令和5年度税制改正】
相続時精算課税制度により贈与を受けた一定の土地や建物については、災害によって被害を受けた場合に、加算する金額からその被害額を控除することができる措置が、令和5年度税制改正により創設されました。この場合、災害発生日から3年を経過するまでに、相続時精算課税適用者が贈与税の納税地の所轄税務署長に一定の書類を提出することで適用になります。この取扱いは、財産の取得時期に係わらず令和6年1月1日以後に生じた災害により、災害を受けた場合に適用になります。
◆小規模宅地等の特例が利用できないこと
相続財産に加算される、生前贈与された財産については、小規模宅地等の特例が利用できません。この点は生前贈与のデメリットということで、承知しておく必要があります。
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