（質問します。）

Aは、昨年父から現金で1,000万円の贈与を受け取っていました。本来であれば、今年の確定申告の時期に申告しなければならなかったところ、失念して確定申告の時期を過ぎてしまいました。これから贈与税申告を行う予定ですが、その際には、相続時精算課税を選択適用して申告することはできますか。

（お答えします。）

相続時精算課税選択届出書をその申告期限までに申告しなかった場合には、相続時精算課税の適用を受けることはできません（暦年課税となります。）のでご注意ください（相法21の9②）。

（解説します。）

相続税法基本通達21ー９－３において「相続時精算課税の適用を受けようとする者は、その年分の贈与税の申告書の提出を要しない場合であっても……相続時精算課税選択届出書をその提出期限までに提出する必要があることに留意する。なお相続時精算課税選択届出書をその申告期限までに提出しなかった場合には相続時選択課税の適用を受けることはできないことに留意する。」と規定されています。

また、同通達にもはっきりと書かれてありますように、提出期限まで提出できなかった者に対する、ゆうじょ規定（宥恕規定）はありません。