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相続開始前7年以内の贈与加算と除斥期間(賦課権の期間制限)の関係【最新令和5年度税制改正・最新法改正に基づく回答】


(質問します。)

令和5年度税制改正で相続開始前7年以内の贈与財産については、相続財産に加算されることになりました。

その一方で、贈与税の申告をせずに申告期限から6年経過するといわゆる時効になりますが、この関係はどのように考えればいいのでしょうか。

(お答えします。)

贈与税の申告期限から6年(注)を経過すると、課税庁は更正・決定処分ができなくなります(申告・納税もできません)(相法37、通則法70)。

(注)偽りその他不正の行為があった場合は7年(通則法70)。本問ではそのような場合ではないものと想定します。

一方で、令和5年度税制改正で、相続開始前7年以内の贈与については、贈与税の価額を相続税の課税価格に加算することになりましたが、これらの2つの規定は重なりあうことはありませんので、それぞれ別々に判断することになります。

(解説します。)

事例で見てみます。以下の事例は基礎控除を超えた金額で、無申告であったとします。

相続人に対する贈与 令和 7年10月1日

相続開始      令和14年10月1日

この場合、贈与が令和6年1月1日以降(法改正後)なので、7年以内の加算対象になります。また贈与税の申告期限である令和8年3月15日から6年を経過するのは令和14年3月15日になります。

このため、贈与税の期限後申告はできません(相続開始時点で贈与税の無申告を認識したものと想定しています。)

なおこの事例では、期限後申告は期間を経過しているのでできません(課税庁からの決定処分もできません)が、相続開始前7年以内の贈与財産として、相続財産には加算されることになります。


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