(質問します。)
甲はX社(非上場会社)の代表取締役ですが、子は事業を承継しないため、同社の取締役になっている甥に株式を贈与するつもりです。その際に贈与税の納税猶予の制度を適用する予定ですが、併せて相続時精算課税の制度も活用できますか。
(回答します。)
通常の場合は適用できませんが、非上場株式の贈与の納税猶予を適用する場合に限り、子、孫以外の者であっても相続時精算課税の適用が可能となります。
(解説します。)
相続時精算課税は、原則として、子、孫に対して贈与を行った場合の制度ですので、甥への贈与については適用できません。
しかし、事業承継の円滑化を図るため、贈与を受ける後継者が子、孫以外の者であっても例外的に相続時精算課税の適用が可能になっています(措法70の7、70の7の5)。
また、贈与を受ける後継者は、贈与を受ける年の1月1日現在で18歳以上であり、贈与者(先代経営者)は同日において60歳以上であることが必要です。
(注)上記内容は、平成30年1月1日から令和9年12月31日までの贈与について適用されます。