木村克己税理士事務所 相続税10万円~ 資産評価に自信あり Zoom等面談可


「教育資金」の子や孫への贈与は贈与税が非課税になりますか。適用の仕組みや必要な手続を教えてください。                     【最新令和5年度税制改正・最新法改正に基づく】


(答えです。)「教育資金」の一括贈与に係る贈与税の非課税措置について

租税措置法70条の2⑭項、70条の2の3、租税措置法施行令第40条の4の3⑲項、40条の4の4㉒項、令和3年改正法附則第75条③項、⑤項

「教育資金」の一括譲与を受けた場合の贈与税の非課税

教育資金に充てるために、その直系尊属が金銭等を拠出し、金融機関(信託会社(信託銀行を含みます。)、銀行及び金融取引業者(第一種金融商品取引業を行なう者に限ります。)に信託等をした場合には、信託受益権の価額又は拠出された金銭等の額のうち受贈者1人につき1,500万円(学校等以外の者に支払われる金銭については、500万円を限度とします。)までの金額に相当する部分の価額については、平成25年4月1日から令和8年3月31までの間に拠出されるものに限り、贈与税が課されません。

(最新の令和5年度税制改正・最新法改正により、期間が令和8年3月31日までに延長されています。)

受贈者:要件(両方必要)
(1)0歳以上30歳未満。
(2)前年における合計所得金額が1,000万円以下

贈与者:要件
直系尊属

扶養義務者間における教育費の贈与

扶養義務者相互間(祖父母や父母など)における教育費の贈与のうち「通常必要と認められているもの」は非課税です。但し、必要資金を超えて贈与したものは課税対象になります。祖父母から孫への贈与等でも非課税適用になります。

相法第1条の2第1号、第 21 条の3第1項第2号
相基通1の2-1、21 の3-3、21 の3-4
民法第 877 条

「教育資金」とは次の金銭をいいます。

租税特別措置法第70条の2の2➁項一号、租税特別措置法施行令第40条の4の3⑥項~⑧項

(1)学校等(※)に支払われる次のような金銭

① 入学金、授業料、入園料、保育料、施設設備費または入学(園)試験検定料など

② 学用品費、修学旅行費、学校給食費等、学校等での教育に伴い必要な費用等

(※)学校等とは、学校教育法に定められた幼稚園、小・中学校、高等学校、大学(院)、専修学校及び各種学校、一定の外国の教育施設、認定こども園、保育所又は一定の認可外保育施設等をいう。

(2)学校等以外の者に対して直接支払われる次のような金銭で教育を受けるために支払われるものとして、社会通念上相当と認められるもの(500万円が限度である。なお、令和1年7月1日以降の支払より、受贈者が23歳に達した日の翌日以降は、➀から➃は、教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練受給費用のみが対象となる。)

イ 役務提供又は指導を行う者(学習塾など)に直接支払われるもの

➀教育(学習塾など)に関する役務の提供の対価や施設の使用料など

➁スポーツ(水泳など)又は文化芸術に関する活動(ピアノなど)その他教養の向上のための活動に係る指導の対価など

➂ ➀の役務の提供又は➁の指導で使用する物品の購入に要する金銭

ロ イ以外(物品販売店など)に支払うもの

➃ (1)-➁に充てるための金銭であって、学校等が必要と認めたもの

⑤ 通学定期券代、留学のための渡航費などの交通費

当初適用を受けるための手続き

金融機関等の営業所等経由で非課税申告書を税務署長に提出します。

払い出しに伴う手続

口座開設時に選択した払出方法に応じ、領収書等を金融機関等に提出します。

贈与者が死亡したときとその取扱い

贈与者の相続税の課税価格の合計額(教育資金の管理残額を除く。)が5億円以下(※1)かつ、受贈者が次のいずれかに該当する場合を除き、管理残額は、相続税又は遺贈により取得したものとみなされる(相続税の課税対象)。(※2)

(1)23歳未満である。

(2)学校等に在学している。

(3)教育訓練を受講している。

(※1)令和5年3月31日以前の契約により取得する受益権等については、課税価格による制限はない。(令和5年改正法附則51条2項)

(※2)令和3年4月1日以降の契約により取得する信託受益権等については、受贈者(贈与者の子以外の直系卑属(代襲相続人となった者を除く。)に相続税が課税される場合は、この管理残額に対応する相続税は相続税の加算の対象である。 

終了事由

(1)受贈者が30歳に達したこと(※3)

(2)受贈者が死亡したこと

(3)口座残高が0、かつ、契約終了の合意があったこと

(※3)30歳に達したときにおいて、受贈者が学校等に在学している又は教育訓練を受けていることを取扱金融機関の営業所等に届け出た場合は、次のいずれかの早い日まで運用可能

➀ 学校等に在学した日又は教育訓練を受けた日を届け出なかった年の12月31日

➁ 40歳に達した日

終了時の取扱いについて

上記終了事由の(1)又は(3)により終了した場合に、非課税拠出額から教育資金支出額を控除した残額があるときは、その残額はその事由が生じた日の属する年の贈与税の課税価格に算入される。(※4)

受贈者の死亡により終了した場合には、贈与税は課税されない。

(※4)令和5年4月1日以後の契約により取得する受益権等については、一般贈与とみなす(令和5年改正法附則第51条➁、➂項)

 特例贈与ではなく、一般贈与として扱われる。


PAGE TOP